我々の主要事業である事業再生の現場で、決算書類を精査していると、
貸借対照表の『投資有価証券』の項目に
結構な金額が計上されていることがあります。
すわ、これは換金できる上場株式か!と
喜んでいたのは(経験の少なかった)最初のうちだけで、
殆どは『昔友人に頼まれて出資した。』とか
『親父の代から載っているけど、とうにこんな会社無くなっとる。』
殆ど、いや、まったく換金性の乏しいケースばかりでした。
ただこれを実在性がないと見做して償却してしまうと
BSの見栄えがわるくなったり、
最悪債務超過に陥るので
そのまま放置している会社が多数を占めていました。
しかし、ある会社で結構な金額が有価証券の欄に記載されており、
詳しく聞いたら地元の有力企業との事。
70年ほど前に祖父が出資したまま配当金だけ受け取っているが、
5年前にどうしてもお金がいるから買い取ってほしいとお願いしたが、
額面価格でなら買い取ると言われ、どうしていいのか解らず、
そのまま放置してある。
という、レアなケースに遭遇したのです。
調べてみると、その会社は無借金経営かつ、
数十億円の現預金を持つ超優良企業だったのです。
そこで、わが社のノウハウを駆使し、租税負担も少なく、
大きな売却益を獲得することによりその会社は窮地を脱したのです。
詳しくは、弊社代表著書
『少数株主のための非上場株式を高価売却する方法』(幻冬舎)に
わかりやすく書いてありますので、
ぜひお買い求めくだされば幸いです。
実際に現場で交渉をしていて感じた事ですが、
儲かっている会社、財務状態の良い会社のほうが買い渋るというか、
BPS(一株当たり簿価純資産)12,000円の株式の買取請求をしたときに、
『額面価格50円だけど、
プレミアムを付けて100円なら買ってやっても良い。』
みたいな、木で鼻を括ったような答えをしてくる事が多いのですね。
年商数十億円。
自己資本率90%以上、
年間売上以上の現預金を持っている会社がですよ。
そんな会社だからこそ、ここまで立派な会社になったのかもしれませんが、
私の敬愛する村上世彰さんなら激怒されることでしょう。
少数株主のことなんて、舐め切っています。
特にこんな会社で数十年経理部長をしている
プロパー社員なんて酷いものです。
『社長、なんか訳の解らん奴が、訳の解らん要求をしてきてますが、
私が全て追い払いますから、お任せください。』
とか何とか言って、地元の顧問税理士に作らせたそれこそ
訳の解らん株価で買い叩こうとしてきます。
『どうせその株も相続した株でしょ。
我々が血の汗を流し、
不断の努力で気づき上げたわが社を何の努力もしていないあなた方が
そんな無茶苦茶な要求をしてくるなんて非常識にも程がある。』
位の事は本気で思っています。
原資がなければ、即ち、出資する人(株主)がいなければ、
いまの御社は存在しないのですよ、と説明してあげても、
全く解ってもらえない事が多いのです。
0×100,000,000=0という、
小学生でもわかる算数が出来ないんです。
そんな会社に虐げられている『少数株主』のお役に立てる。
そんなコンサルタントに私はなりたい。