
非上場株式を売却したいと思っても、「買い手が見つからない」「誰に相談すればいいかわからない」と悩む方は少なくありません。
上場株式であれば証券取引所で自由に売買できますが、非上場株式には市場がないため、自分で買い手を探す必要があります。
特に相続で取得した株式や、退職後も保有している株式などは、「売りたいのに売却できない」というケースも珍しくありません。
この記事では、非上場株式の買い手を探す方法や、それぞれのメリット・デメリット、売却を成功させるポイントについて詳しく解説します。
非上場株式の買い手は簡単に見つかる?
結論からお伝えすると、上場株式に比べて買い手を見つけるのは簡単ではありません。
非上場株式は証券取引所で売買することができないため、一般の投資家が購入する機会はほとんどありません。
また、多くの非上場会社では譲渡制限株式を採用しており、取得した第三者が株主となる際には会社の承認が必要となることがあります。
そのため、まずは誰が買い手になる可能性があるのかを理解することが重要です。
非上場株式の主な買い手
非上場株式の買い手には、大きく分類して以下の5つの候補があります。
- 発行会社
- 既存株主
- 経営陣やオーナーの親族
- 第三者の個人や法人(M&Aを含む)
- 非上場株式買取専門の会社
これらの買い手のそれぞれの特徴について詳しく解説していきます。
発行会社
株式を発行している会社が、自社株(自己株式)として買い取る方法です。
非上場株式の売却では最も一般的な売却先であり、退職した役員や従業員、相続人から会社が株式を買い戻すケースも多く見られます。
既存株主
その会社の株式を保有している既存株主へ売却する方法です。
持株比率を高めたい経営者や役員、創業者一族などが買い手となることがあり、状況によっては発行会社より高い価格で売却できる可能性があります。
経営陣やオーナーの親族
事業承継や相続対策を目的として、親族へ株式を売却譲渡する方法です。
後継者へ経営権を引き継ぐ際によく利用されますが、税務上の取り扱いには注意が必要です。
第三者の個人や法人(M&Aを含む)
会社とは関係のない第三者の個人や法人へ売却する方法です。
企業価値を高く評価する買い手が見つかれば、高値で売却できる可能性がありますが、買い手探しの難易度は非常に高く、譲渡制限がついている場合は、第三者が株主となるためには、会社の承認が必要です。
非上場株式買取専門の会社
非上場株式を専門に取り扱う買取会社へ売却する方法です。
買取価格の算定から売却手続きまで一貫して行っていることが多く、相続した株式や売却先が見つからない株式の相談先として利用されています。
初めて非上場株式を売却する方にも選ばれている方法です。
代表的な売却先について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
発行会社へ売却する
最も一般的な方法が、株式を発行している会社へ売却する方法です。
会社によっては、自己株式として買い取る制度を設けていたり、株主構成の見直しや事業承継を目的として株式を買い戻したりすることがあります。
メリット
買い手を探す必要がない
譲渡制限株式であっても手続きが比較的スムーズ
デメリット
会社には買取義務が生じないため、必ず買い取ってもらえるとは限らない
保有シェアにかかわらず、額面や配当還元価格などで提示される場合がある
同族会社の場合、低廉譲渡等の課税リスクに注意が必要
このような方におすすめ
- 会社と関わりのない第三者へ売却を望まない方
- 相続した株式を整理したい方で会社との関係が良好な方
- 退職後も保有している自社株を売却したい方で会社との関係が良好な方
他の既存株主へ売却する
他の既存株主へ売却する方法も有力な選択肢です。
経営者や役員、創業者一族などが持株比率を高めたいと考えている場合は、購入を希望するケースがあります。
メリット
既に株主なので、買取に応じてもらいやすい
発行会社から承認を得やすい
相手方の買取ニーズに合致する場合、高値になることもある
デメリット
買い手が見つからない場合もある
売却する相手によっては税務リスクに注意が必要
このような方におすすめ
- 発行会社が株式を買い取ってくれずお困りの方
- 既存株主との関係が良好な方
- 発行会社から提示された価格以外の選択肢も検討したい方
経営陣やオーナーの親族へ譲渡する
ご自身が経営陣やオーナー一族にあたる場合はもちろんのこと、事業承継や相続対策として、経営陣やオーナーの親族が買取を希望するケースもあります。
メリット
速やかに売却可能
デメリット
売却する相手によって税務リスクに注意が必要
このような方におすすめ
- 経営陣やオーナーと親しい方
M&Aや第三者(個人・法人)へ売却する
会社の成長性や保有株式の割合によっては、M&Aや第三者への売却が成立するケースもあります。
特に経営権に影響を与える株式や、将来性の高い会社の株式は、投資家や事業会社から評価されることがあります。
メリット
保有割合が多い場合、のれんを含んだ価格で売却できる可能性がある
デメリット
買い手探しに時間がかかる、もしくは買い手が見つからない可能性がある
このような方におすすめ
- 経営権に影響を及ぼし得るシェアの株式を保有している方
- 会社の成長性に自信があり、高値での売却を目指したい方
- 事業承継や会社の売却(M&A)を検討している経営者・大株主
- 売却までじっくり時間をかけることができる方
非上場株式買取専門の会社へ相談する
近年では、非上場株式を専門に取り扱う買取会社へ相談する方も増えています。
株式の買取価格の算定から売却手続きまで一貫して行っている会社も多く、相続した株式や売却先が見つからない株式についても相談できます。
メリット
買い手探しの負担がない
株式売却後に会社法上必要となる手続きを行ってもらえる
デメリット
会社の状況等によって買取ができない場合もある
このような方におすすめ
- 買い手が見つからず困っている方
- 売却候補先と価格が折り合わなかった方
- 売却にかかる手続きを買い手に一任したい方
買い手を探すときのポイント
買い手探しでは、特に次のようなポイントを事前に確認し、売却の全体像を把握しておきましょう。
発行会社が買い取る意向があるか否かを確認する
会社が取得する意向がある場合、高値で買い取ってくれる可能性は十分あります。
まずは、発行会社に意向を確認してみましょう。
譲渡制限があるか確認する
買い手を探す前に、保有している株式が譲渡制限株式かどうか確認しましょう。
譲渡制限がある場合は、当事者間で売買自体は可能ですが、買い手が株主となるためには会社の承認が必要(※)になります。
※非上場株式買取専門の会社であれば、譲渡制限がついていても多くの場合、買い取ってくれます。
専門家や非上場株式買取専門の会社に相談する
非上場株式には市場価格がないので、決まった売買価格は存在しません。
そのため、会社から提示された価格だけで判断せず、非上場株式に関する経験値が高い専門家や会社へ相談し、早い段階から株式売却の道筋を確認されておくことをおすすめします。
まとめ
非上場株式は市場で自由に売買できないため、買い手探しが売却の大きな課題となります。
主な売却先には、発行会社、既存株主、役員・親族、非上場株式買取専門の会社などがありますが、それぞれ売却の難易度や期間、必要な手続き等が異なります。
必要に応じて、事前に非上場株式に詳しい専門家や買取会社へ相談することで、より円滑な売却へ繋がる可能性が高まります。
